空と緑と石と暮らそう

庭の景観を彩る石をご紹介

 

石。時を超えた贈り物

日本では古くから自然石は美の対象であるといわれてきました。その昔、石器時代には木の実を石でつぶしたり、石に向かって祈りを捧げたりしていたのですから、雄大な自然にはぐくまれた石は大いなる大地の宝だったのでしょう、想像が膨らみます。

まったく同じ形が存在しない自然の贈り物、石という名の鉱物。その色や形、佇まいは人を感動させる力があります。石はずっと変わらず、どっしりそこに在る。いつまでも変わらないことへの安心感、なんともいえぬ懐かしさは包容力にも似ているような気がします。石は自然の中で、その身に長い歴史をも刻んできました。

昨今わたしたちの生活の中にSNSが普及し、夢中になって見つめるものが変わってきています。そして人と自然のあり方も変化してきていることに気付かされます。昔ながらの食生活、着物文化、伝統工芸、日本のよさをあらためてみなおす機会になるかもしれない石との暮らし。いつの日も近くにあった石、石の持つ力、富山の四季の美しさを表現する石、心安らぐ石による庭づくりをご紹介します。

 

庭という風景をつくる石たち

「石を読む」という言葉を聞いたことがありますか?

石には数多くの種類があり、質、色、形、大きさ、勢い、各々個性があります。そして、石同士の組合せ、間隔、高さなどの特徴を読み、活かして使うことで味わい深く表情豊かな庭となります。

その昔、足袋を濡らさないよう石を打ったのがはじまりだと言われる飛石は、庭の中にリズムと面白さを運んでくれます。また、小さな石をラフに並べて目地に下草を茂らせると野趣あふれるナチュラルさを感じます。色や大きさの異なる石を組み合わせたり、曲線を描いて遠近感を出したり、違う素材を組み合わたりすることでメリハリやグラデーションができ、庭の中を楽しくさせてくれます。

石は劣化や腐敗することがないうえに時を経てさらに深みを増し、風格が出てきます。石をいくつか配置することで、樹木が少なくても充分庭らしくなるから不思議です。石の中からその空間に合った色や形の石を職人が選び作庭していきます。樹木が少なくて済むので、費用やその後の庭の維持費のことを考えても十分利用価値があります。

雨に濡れた石は景観をぎゅっと引き締め、魅力ある空間にしてくれます。また、石は家や植物をとても美しく映し出してくれるフレームになります。石は構成によってその魅力を発揮し、立てて使うと立体的な庭を作ることが出来ます。
坪庭といわれる狭い空間に作庭してあるものはこの手法が多く、狭いスペースであっても見ごたえあるものとなります。ブロック塀やフェンスなどの人工的なエクステリアともよく合いますし、土の流出を防ぐ土留め、境界線としても機能性を発揮します。

砺波造園では石碑の設置、移設工事なども承っております。これまでも完成記念碑、石碑に姫川の石を使い施工しました。後世に伝え残す経歴や勲功を刻んだ石碑は、周りに石を組むことで一層どっしりとした風格と存在感が漂い、見る人に格式高い印象を刻み込んでくれます。同じようにお墓周りにも使用出来ます。石組は何百年もその状態を変えることなく維持されます。メリットは維持費がかからないことです。コンクリートのように年月と共に劣化し、ひび割れが起きる心配がありません。

 

 

庭植物と溶け合う石の魅力

上の写真は姫川の石や御影石と植物を組み合わせたものです。雨は石の色を変え、草木の緑は一層濃くなって庭の中にそれは美しいコントラストの石風景が現れます。石と花、地被類はとても相性がよく、石は目立つことなくそっと植物に主役の座を引き渡し、その色と形状を引き立たせてくれる役割を担ってくれます。植物と一緒にすることで石の硬さに柔らかさが加わり風景に溶け込みます。じっと眺めてほしい石プラス植物、身近にいかがでしょうか。

 

 

ロマンの香り漂う姫川の石

砺波造園が特におすすめするのは姫川の石です。水の流れが生んだ加工されていない自然の石です。

 

砺波造園では15年ほど前に、3年間という期間限定で石を採取できる許可がおりた糸魚川の石を購入しました。そのために大型トラックで何十回も往復したのは懐かしい思い出です。なぜ姫川の石か?それはまず富山県と同じ日本海側ではぐくまれた石であること、頑丈であること、また庭石を高価な石ではなく手が届く価格で提供できないか、といろんな面から考えた末に姫川の石の購入に至りました。

 

姫川は長野県を源流にもち、山間部をとおって糸魚川から日本海に注ぐ川です。姫川はヒスイや薬石が採れることで有名です。姫川流域はプレートがぶつかって地下深くに潜り込み、日本列島を東西に分割する大きな断層に沿って流れている川だといわれています。山に挟まれた急な地形を流れる急流河川ですから、その下流で砺波造園が採取したこの石は激流の中を長い年月をかけて岩石を削り取りながら残ってきた石たちなのでしょう。自然と地球の力が凝縮されているような姫川の石、この石に魅せられた一つの理由でもあります。粗削りで自然そのままの姿の姫川の石は、庭という空間でやさしく逞しく人や家を包み込む役目を果たしてくれることでしょう。

(参考文献:国土交通省  日本の川)

 

砺波造園の姫川の石が置いてある場所です。庭づくり、石積みや池の造成などに使用しています。また、同じ造園業の方々の庭づくりに使っていただいたりしています。費用対効果でいうならば安価でありながらも十分に石の存在感、重厚感を醸し出すことができる石です。力強く、ダイナミックな使い方をすることでこの石の魅力を最大限に発揮します。日本の美は単調なものを崩したところにあると言われます。きれいに揃いすぎると趣に欠ける。自然石は配置のリズム、大きさ、凸凹、動き、勢い、流れによって作っていく面白さがあります。姫川の石は青みが強く、雨に濡れた姿はいぶし銀のような静かな佇まいの美しさがあります。かなりの量がありますので大きな土地の石積みなど、同じ産地、同種の石でまとめるときなどにお役に立てるかと思います。姫川の石は大変硬く、加工が困難です。しかし天端がそろいやすく、石垣としてかなりの強度が確保されるという利点があります。庭という枠を超え、素朴で力強い姫川の石を庭、生活、建築、芸術、いろんな視点でとらえ、新しい造形に使っていただければ幸いです。

 

 

お庭の眺めを引き締める添景物のご提案致します。

射水支店には灯籠、蹲踞、手水鉢が展示してありますので、是非お気軽にお立ち寄りください。
灯籠は日本庭園の主要な添景物ではありますが、庭の空間を引き締めるアクセントとして工夫次第ではどのような形態の庭にも合うのではないかと思います。
最近は若い方が自分のオリジナルの庭に招き入れ、植物とコラボさせておしゃれな空間に!

 

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